幸せを創出できないビジネスを野放しにしてよいのか?
「お湯マジ!」記事の続きです。
「「お湯マジ!」によって温泉宿の価値を下げられてしまうのは必然」
https://kawashimablog.com/yufuin/?p=22621
現場ではこう言う事が起きているんだよって事が、リクルートライフスタイル・マジ☆部の担当者さんに届けばと思い、書き綴ります。
「お湯マジ!22」利用の若者を対応した現場のリアルな声とは?
某旅館さんのお話なのですが、少しの期間「お湯マジ!22」をされていました。
当初リクルートの営業担当者からは「若者に温泉を無料で利用して貰えば、将来家族を連れて宿泊に繋がるかも知れませんよ〜っ」と言う説明を受けて、この企画に参加されたそうです。
期間中、通常の日帰り入浴(有料:600円)とは別に、無料で温泉に入りに来る「お湯マジ!22」の若者が日に日に押し寄せるようになったそうで…。
※twitterなどのSNSで拡散されてました。
男女の団体での利用があった事もあり、フロント前で待ち合わせをされた時には、お湯マジ!の若者と宿泊客でごった返した事もあったとか。
でもタダで温泉に入りに来るお客様にも 入浴の対応と案内をしないといけません。
でもよーく考えると、しっかりシャンプーやボディーソープも使いますし、団体の場合は脱衣所の掃除や整理整頓も大変です。
そこには人手(人件費)がしっかり掛かっています。宿泊のお客様がチェックインに来られても、です。
そして入浴後…タダで入りに来るだけの若者から生まれるモノは何も無いと感じ、とても虚しい想いをされたとか。
“なんとか次に繋げたい”と言う想いで「次回はお友達や家族で宿泊されにいらしてくださいね〜っ」と、現場の方も最初は声を掛けられていました。
でもタダで利用した若者のリアクションはとても薄く、忙しい時でも入浴の案内や声掛けが困難になり、通常業務が成り立たないとの事で「お湯マジ!22」を辞められました。
▶タダ以上に、マイナス要因ばかり…
ちなみに「お湯マジ!22」を辞めた数日後もしばらくは余波があり、若者が数人来た事があったそうで。
「もうお湯マジ、やってないんですよ〜っ」と若者に言うと、お金を出してまで入浴する方はいませんでした。
元々はタダでしたから、そんなモノですよね。
あと宿泊者の夕食の準備などで忙しい時に「お湯マジ!22」の方が来られると、現場の方も顔が強張(こわば)ったりされたようで…
「また来たかー」と思って少し嫌っぽい顔でフロント対応したら、実はご宿泊のお客様だったりと焦った事もしばしば(涙)
色々と苦いご経験をされたようです。
最後に、マジ☆部に参加しようとお考えの事業者さんへ
無料にする事で得た集客・お客様は、未来の顧客へ繋がる、と。
そして将来、有料でも利用してくれると思いますか?
ボクの解答は「NO」
ほぼ無いと思います。
そしてリクルートさん。
他人のフンドシで相撲を取るこの「マジ☆部」が、日本のビジネスにどんな悪影響を及ぼしているかを考えた事あるでしょうか?
勿論、事業者はやりたくなければ参加しなければ良いのだけの話なのですが、色んなしがらみ(旅館組合や観光協会など)があると参加せざるを得ない場合もあるでしょう。→ハマちゃんのBlogを見てそう感じました。
でもやっぱりタダではなく「適正価格」でお金を頂戴しないと、提供する事業者はホントにやっていけなくなります。
こんなビジネスが日本で当たり前になってはいけないのです。
リクルートは依頼があった事業者の価値を明確にし、プロモーションをかけてきちんと顧客に伝える事で更に事業者の価値を高める。
集客に繋がれば、事業者はリクルートに感謝する事でしょう。
それが本来のリクルートのビジネスじゃ無かったのでしょうか。
最後に問います。それでもアナタは「マジ☆部」をされますか?
※先日の「海マジ!」の記事も合わせてご覧くださいね。
この夏始まる「海マジ!」をマジで考える
https://kawashimablog.com/yufuin/?p=22619
最新記事 by 川嶋 雄司 (全て見る)
- 自社予約フォーム「予約番」丨「コンテンツアシスタント機能」が無償提供期間を延長し、当面の間無償へ - 2024年11月21日
- ANA丨Ctripに旗艦店(きかんてん)を正式に開設! - 2024年11月20日
- 過去に撮影&登録した画像サイズが小さくてサイト登録にお困りの方へ - 2024年11月19日