2026年10月20日時点の公式資料に基づく内容です。
Booking.comやagodaなど、海外OTAを利用している宿泊施設の方へ。
「キャンセルや返金の対応は、どこまで施設側で判断できるの?」
「海外の予約サイトにも、日本と同じルールが適用されるの?」
こうした点が気になることもあるのではないでしょうか。

そんな中、観光庁が「各国の旅行業法制度の現状等調査」という調査業務を公示しています。調査対象には、海外の旅行取引に関する制度だけでなく、海外OTAへの対応も含まれています。
名前だけを見ると少し堅い内容ですが、海外OTAを使ってお部屋を販売しているお宿にとっても、今後の動きを知っておきたいテーマです。
今回は、観光庁の公式資料をもとに、調査の内容や期限、宿泊施設の現場で確認しておきたいことを整理してみます。
まず、海外OTAを規制すると決まったわけではありません
最初に、ここは誤解しないようにしたいトコロです。
今回の調査は、今後の旅行業法の運用や旅行業のあり方を検討するための基礎資料を得るものです。新たな規制や法改正を決定したという発表ではありません。
また、公示では海外OTA全般への対応が挙げられており、Booking.comやagodaの社名を指定したものではありません。この記事では、両社を海外OTAの具体例として取り上げています。国土交通省
「海外OTAのルールがすぐに変わる」と受け取るのではなく、まずは制度を検討するための調査として捉えておきたいですね。
具体的には、どのようなことを調べるのか?
観光庁の公示によると、欧州など諸外国の旅行取引について、事業者への規制、消費者保護の仕組み、海外OTAへの対応を調査します。制度の内容に加え、実際の運用や市場環境への適応状況も対象です。国土交通省
単に「海外にはどのような法律があるのか」を調べるだけでなく、実際にどう運用されているのかまで確認する内容ですね。
調査内容の根拠となる資料はこちらです。
出典:[観光庁「各国の旅行業法制度の現状等調査」企画競争実施の公示(PDF)](https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002012271.pdf)
調査業務はPwCコンサルティングを選定。履行期限は2027年3月19日
観光庁の企画競争実施結果では、PwCコンサルティング合同会社が選定されています。決定日は2026年9月17日です。
主な日付を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 調査業務の公示日 | 2026年7月17日 |
| 企画競争の選定決定日 | 2026年9月17日 |
| 調査業務の履行期限 | 2027年3月19日(金) |
※公示日・履行期限は公示資料、選定決定日は企画競争実施結果に記載されています。国土交通省
ここで注意したいのが、2027年3月19日は、調査業務を完了させる期限だということです。
海外OTAへの新規制が始まる日でも、宿泊施設の対応期限でもありません。また、今回確認した公示・実施結果には、調査結果の一般公開日は示されていません。国土交通省
「来年3月から予約サイトのルールが変わる」と早合点しないよう、この点は分けて理解しておきましょう。
出典:[観光庁「各国の旅行業法制度の現状等調査」企画競争実施結果(PDF)](https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002023344.pdf)
なぜ宿泊施設にも関係するのか?
観光庁は、別の案内ページでも、旅行予約サイトによって旅行業法に基づく登録の有無や契約形態・条件が異なり、契約をめぐるトラブルが発生するおそれがあると説明しています。国土交通省
参考:[観光庁「旅行予約サイト利用時の確認事項」](https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/ryokochui/yoyakusite.html)
こちらは旅行者向けの注意喚起ですが、宿泊施設側でも参考にしたい内容です。
例えば、お客様から「キャンセルしたので返金してほしい」と連絡があった場合。
まず、どのような条件で予約されているのか。代金を受け取っているのは施設なのか、それともOTA側なのか。誰に確認すればよいのか。
こうした確認事項を、スタッフ全員が同じように把握できているでしょうか。
ボクとしては、海外OTAか国内OTAかという分類だけで判断せず、利用している予約サイトごとに、契約条件と対応手順を整理しておくことが大切だと思います。
制度の変更を待つ前に、今の販売条件を見直しておきましょう
今回の調査をきっかけに、施設側では次の3点を確認してみてはいかがでしょうか。
① キャンセル・返金条件が、意図したとおりに表示されているか
管理画面の設定だけでなく、お客様が実際に見る予約ページも確認しておきたいですね。自社サイトと条件が異なる場合も、それぞれの説明が分かりやすいか見直してみましょう。
② 決済方法や予約変更について、対応手順を共有できているか
現地決済と事前決済を分けて、返金や変更の際に誰が何を確認するのか整理しておく。施設側で判断に迷う場合の、OTAへの確認手順も決めておくとよいと思います。
③ トラブル時の問い合わせ先が、すぐに分かるか
問い合わせ窓口や、連絡時に必要な予約番号などをまとめておきましょう。担当者が不在でも確認できる形にしておきたいところです。
これは今回の調査で新たに求められた対応ではなく、日々の販売・予約管理を見直すための、ボクからの提案です。
さいごに丨「いつ変わるか」だけでなく、「今どう運用しているか」も大切です
今回のニュースを見て、すぐに販売設定を変えたり、海外OTAの利用を見直したりする話ではありません。
一方で、制度がどうなるかを待つだけではなく、今の予約条件や連絡体制を整理するきっかけにはできると思います。
予約を増やすことと、予約後に迷わず対応できること。
宿泊施設のWEB販売では、この両方を大切にしたいですね。
海外OTAを含む旅行取引の制度について、今回の調査が今後どのような議論につながるのか。Booking.comやagodaなどを利用しているお宿は、引き続き注目しておきたいテーマだと思います。
参考:
観光庁「企画競争実施結果」
観光庁「旅行予約サイト利用時の確認事項」
観光庁が旅行業制度の海外調査
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