じゃらんフォーラム

「じゃらんフォーラム2026」に参加!宿泊業界の最新動向をチェックしてきました【Part.7】

「働く人に選ばれる宿」が、これからの競争力になりそうです

では、先日ホテル日航 福岡にて開催された「じゃらんフォーラム2026(https://www.jalan.net/theme/info_forum/#time)」の続き記事になります。

「じゃらんフォーラム2026」に参加!宿泊業界の最新動向をチェックしてきました【Part.6】


2040年の日本は一体どうなってるでしょうかね。

【じゃらんフォーラムとは?】
昨年顕著な成果を残された宿泊施設を表彰するじゃらんアワードや、盛りだくさんのコンテンツを企画するイベントです。


引き続きじゃらんフォーラムにて「株式会社インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター 上席主任研究員」の宇佐川 邦子さんによる宿泊施設の「人材不足」に注目したセミナーをご紹介したいと思います。

「選ばれ、共に歩む」宿泊業へ

では講師がバトンタッチして講演が再開しました。


テーマは「労働市場の変化を踏まえ、これから宿泊業が選ばれる業界になるためには何が必要か」。

人手不足が深刻化する中、これからの宿泊業は「人を採用する」だけでなく、働く人から選ばれ、長く活躍してもらえる職場づくりが重要になるという視点から、最新の労働市場の動向や今後の取り組みについての講演になります。


登壇者:宇佐川 邦子さんの紹介

人材領域を専門とし、採用・育成・定着・活躍までを一体で捉えた「働く」に関する課題解決をテーマに、企業や自治体と連携したさまざまな取り組みを行っています。

宿泊・観光業においても、熱海市や箱根町、沖縄などで人材確保に関する調査や実証事業に携わり、地域や業界の特性を踏まえた人材戦略について研究・提言を続けています。今回の講演では、変化する労働市場を踏まえ、宿泊業が「働く人に選ばれる業界」になるためのヒントをたくさんご紹介していただきました。


観光市場は成長する一方で、人材不足はさらに深刻化

観光市場は今後も成長が期待される一方で、人材不足が最大の課題になると説明されました。

政府は2030年までに訪日外国人旅行者6,000万人という目標を掲げており、インバウンド需要は今後も拡大が見込まれています。国内旅行もコロナ禍から回復し、観光市場全体は過去最高水準へと成長を続けています。

しかし、その成長を支える「働く人」が不足していることが、宿泊業界にとって大きな経営課題となっています。

これからは「どう集客するか」だけでなく、「どう人材を確保し、長く活躍してもらうか」が、宿泊施設の成長を左右する重要なテーマになっていくことが強調されました。


経営資源の主役は「お金」から「人」へ

中小企業を取り巻く経営環境の変化として、経営資源の主役がお金から「人」へ移りつつあることが紹介されました。

経営者が抱える不安要素では、原材料費の高騰や国内消費の低迷を上回り、「人材不足・人材育成の難しさ」が最も大きな課題となっています。

また、今後の重点施策としても、人材の採用や育成、定着への取り組みが年々重要視されており、人への投資が企業の成長を左右する時代に入っていることがデータからも読み取れます。

宿泊業においても設備投資だけでなく、「働きたい」「働き続けたい」と思われる職場づくりこそが、これからの競争力につながるというメッセージが印象的でした。


労働市場の変化と働き手の実態

ここからは、労働市場がどのように変化し、働く人の価値観がどう変わっているのかについての解説です。

人手不足が常態化する中、企業は「人を採用する」だけではなく、働き手のニーズや価値観を理解し、選ばれる職場をつくることがこれまで以上に重要になっています。

講演では最新のデータをもとに、宿泊業が今後取り組むべき人材戦略について詳しく紹介されました。


労働力人口は減少、シニア人材の重要性はさらに高まる

今後の労働市場について、20年間で現役世代の働き手が大きく減少するという予測が示されました。

2040年にかけて、30〜59歳の働き手は約15%、29歳以下も約11%減少する一方で、60歳以上のシニア人材は約45%増加すると見込まれています。

つまり、これからは若年層の採用競争がさらに激しくなる一方で、シニア世代をはじめ多様な人材が活躍できる環境づくりが企業の成長に欠かせないということです。

宿泊業においても従来の採用手法だけでは人材確保が難しくなり、年齢や働き方にとらわれない柔軟な雇用や職場づくりがますます重要になると感じました。


30〜40代前半の働き手が大幅に減少

さらに、直近10年間の労働力人口を見ると、30〜40代前半の働き手が大きく減少しております。

一方で、50代後半からシニア世代の労働力は増加しており、労働市場は大きく変化しています。

これまで企業の中核を担ってきた30〜40代の人材確保はますます難しくなる一方で、シニア層をはじめ多様な世代が活躍できる職場づくりが今後の重要なテーマになることがデータからも読み取れました。


離職率が高いのは20〜30代前半

年齢別の離職率について。
データを見ると、20〜30代前半の離職率が最も高く、年齢が上がるにつれて離職率は低下する傾向にあります。

このことから、人材不足への対応は「採用を増やす」だけでは不十分で、若手人材が長く働き続けられる環境づくりがこれまで以上に重要であることが分かります。

宿泊業においても働きやすさや成長機会、職場の人間関係など、定着を意識した職場づくりが今後の人材戦略の大きな鍵になると感じました。


「収入」より「自由時間」を重視する人が増えている

働き手の価値観にも大きな変化が起きていることが紹介されました。

内閣府の調査では、「収入を増やすこと」よりも「自由時間を増やしたい」と考える人が約4割を占め、特に20〜30代の男性でその傾向が強く見られます。

こうした変化から求職者は給与だけでなく、働き方や休みの取りやすさ、ワークライフバランスを重視して仕事を選ぶようになっています。

宿泊業でも給与水準だけで人材を集める時代ではなく、柔軟な勤務体系や働きやすい環境づくりが採用・定着の大きなポイントになることが示されました。


若い世代のライフスタイルや働き方に対する価値観も大きく変化していることが分かります。

18〜34歳の未婚男女への調査では、結婚・出産後も仕事と家庭を両立したいと考える人が最も多く、男性でも約4割がパートナーに「仕事と家庭の両立」を望んでいます。

この結果からも、働く人にとっては給与だけでなく、子育てとの両立や柔軟な働き方を実現できる職場であることが、企業選びの重要なポイントになっていることが分かります。

宿泊業でも、育児支援や柔軟なシフト制度など、ライフステージに合わせて長く働ける環境づくりが人材確保・定着の鍵になると感じました。


求職者が最も重視するのは「働き方」

求職者が仕事を選ぶ際の条件について。

調査結果では、重視されるのは「休日・休暇」「勤務時間帯」といった働き方で、仕事内容や給与よりも優先される傾向が見られます。

一方で、会社の知名度や規模、理念などは、仕事選びにおける優先順位はそれほど高くありません。

このことから、宿泊業が人材を確保するためには、給与だけをアピールするのではなく、休みの取りやすさや柔軟なシフト、働きやすい職場環境を具体的に伝えることが、求職者に選ばれるポイントになると感じました。


若い世代ほど「働き方」と「成長環境」を重視

年代別の調査では、若い世代ほど仕事選びの基準が厳しくなっております。

特に15〜29歳では、給与だけでなく、休日や勤務時間などの働き方に加え、評価制度や教育・育成環境を重視する傾向が強く見られます。

つまり、若手人材を採用・定着させるためには、「給与が高い」だけでは不十分で、成長できる環境や、公平に評価される仕組み、働きやすさを整えることが重要です。

これからの宿泊業には待遇だけでなく、「この宿なら成長できる」「長く働きたい」と思ってもらえる職場づくりが、採用競争力を高めるポイントになると感じました。


若手の離職理由は「働き方」と「仕事内容」

34歳以下の若手社員の離職理由を見ると、最も多いのは「休日・勤務時間などの労働条件」で、次いで「仕事内容が自分に合わなかった」という理由でした。

一方で、「給与への不満」は上位ではあるものの、働き方や仕事内容ほど大きな理由ではありません。また、健康面や将来性への不安も一定数見られました。

この結果からも、若手人材の定着には給与改善だけではなく、働きやすい環境づくりや、仕事への納得感・やりがいを高めることが重要であることが分かります。

宿泊業でも「採用すること」だけでなく、長く安心して働き続けられる職場づくりがこれからの人材戦略の鍵になると感じました。

さいごに

今回の強く感じたのは、人手不足の時代に必要なのは「人を集めること」ではなく、「働く人から選ばれる職場・地域をつくること」だということでしょうか。

給与だけでなく、働きやすさや成長機会、ワークライフバランスなど、働く人が求める価値は大きく変化しています。
これからの宿泊業はお客様に選ばれるだけでなく、働く人にも選ばれる宿づくりが欠かせません。

人への投資こそが、これからの宿泊業・観光業の競争力。
その重要性を改めて実感できる学びの多い講演でした。

では長くなりましたので次回に続きます。



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1975年生まれ、福井県高浜町出身・大分県国東市在住。旅館のフロント業務とWEB販売の経験を活かし、旅館・ホテルのOTA運用、料金・在庫設定、宿泊プランの見直しを支援しています。大切にしているのは、現場で無理なく続けられること。お宿の状況に合わせて、一緒に改善を考えます。

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