人口減少を「市場縮小」と捉えるのではなく、「新たな需要を生み出すチャンス」と捉えましょう
では、先日ホテル日航 福岡にて開催された「じゃらんフォーラム2026(https://www.jalan.net/theme/info_forum/#time)」の続き記事になります。
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これからは需要を待つのではなく、新たな需要を創り出すことが重要になりそうですね。
【じゃらんフォーラムとは?】
昨年顕著な成果を残された宿泊施設を表彰するじゃらんアワードや、盛りだくさんのコンテンツを企画するイベントです。
では引き続き、じゃらんフォーラムにて じゃらんリサーチセンターによる「2040年 観光の未来需要予測研究」の内容をご紹介したいと思います。
2040年 観光の未来を考える
単独世帯が4割を超える時代へ
2040年には、単独世帯が全世帯の約43%を占め、一人暮らしが最も一般的な世帯形態になると予測されています。
これにより、旅行も「家族向け」が中心ではなく、一人旅や趣味・体験を目的とした旅行など、個人ニーズに合わせた商品やサービスの重要性がさらに高まります。
宿泊施設においても、「ひとりでも楽しめる・過ごしやすい」滞在価値を提供することが、これからの差別化につながりそうです。
気候変動への対応が不可欠に
2040年には、日本の平均気温が約1.4℃上昇すると予測されています。
気温の上昇により、猛暑日が増えるだけでなく、四季の景観や食材など、観光資源そのものにも影響が及ぶ可能性があります。
これからの観光業には、暑さ対策や季節に応じたコンテンツづくりなど、気候変動を前提とした観光地・宿づくりがますます重要になると感じました。
AIが当たり前の社会へ
2040年には、AIは生活や仕事だけでなく、観光・移動のインフラとしても当たり前の存在になると予測されています。
AIの進化に加え、自動運転やAIモビリティの普及によって、これまでアクセスしにくかった観光地への移動もスムーズになり、新たな旅行需要の創出が期待されています。
また、AIネイティブ世代が社会の中心となることで、旅行の情報収集や予約、滞在体験、働き方まで大きく変化していく時代へ。宿泊施設においても、AIを活用したサービスや業務効率化への対応が、今後ますます重要になりそうです。
人口減少でも宿泊需要は維持できる可能性
じゃらんリサーチセンターの試算では、人口減少によって宿泊需要は減少するものの、国内宿泊旅行の実施率をコロナ禍前の水準まで回復・向上させることができれば、現在と同程度の宿泊需要を維持できる可能性が示されました。
つまり、これから重要なのは人口減少を悲観することではなく、「旅行に行く人を増やす」こと。旅行需要そのものを拡大し、一人あたりの旅行回数を増やす取り組みが、今後の観光業の成長を左右する重要なポイントになるという考え方です。
増え続けるインバウンド需要への対応が重要に
2040年に向けて、訪日外国人旅行者は今後も増加が続くと予測されています。
一方で、課題となるのは需要そのものではなく、増え続ける訪日客を受け入れるキャパシティです。宿泊施設や交通、人材などの受入れ体制をどこまで整備できるかが、今後の観光業の成長を左右する重要なポイントになると説明されました。
これからは「集客」だけでなく、地域全体で受入れ体制を強化し、持続可能な観光地づくりを進めることが、ますます重要になりそうです。
「仕事」と「旅」の境界がなくなる時代へ
AIの進化やリモートワークの普及により、2040年には「仕事」と「旅」、「働く」と「休む」の境界がさらに曖昧になると予測されています。
これまで旅は「休暇」や「非日常」を楽しむものという位置づけでしたが、今後は仕事・学び・自己実現・交流など、多様な目的を持つライフスタイルの一部へと変化していくと考えられています。
宿泊施設にとっても、単に泊まる場所を提供するだけでなく、ワーケーションや長期滞在、地域との交流など、新しい旅のスタイルに対応した価値づくりが重要になると感じました。
世界が求めるのは、日本の「精神性」
講演では、今後のインバウンド市場では、日本の「精神性」そのものが大きな価値になるという考え方が紹介されました。
国際情勢が不安定になる中、世界では物質的な豊かさだけでなく、心の安らぎや調和を感じられる体験への関心が高まっています。
和食、日本酒、工芸、茶道、建築、禅など、日本ならではの文化や価値観に加え、治安の良さや衛生環境、交通インフラの信頼性も、日本を選ぶ理由としてますます重要になっていくとのこと。
これからのインバウンドでは、単に「観光地」を売るのではなく、日本ならではの文化や精神性を体験として提供することが、さらなる価値につながると感じました。
日本人の国内旅行実施率を高める3つのシナリオ
ここからは、「人口減少時代でも、どうすれば国内旅行需要を伸ばせるのか」というテーマに移りました。
ではちょっと長くなりそうなので、また次回に。
さいごに
じゃらんリサーチセンターでは、国内旅行の実施率を高めるための3つのシナリオを提示。人口が減ることを前提としながらも、「旅行に行く人」と「旅行に行く回数」を増やすことで、国内観光市場はさらに成長できるという考え方のようです。
これからの観光業には、従来の集客施策だけでなく、新たな旅行需要を創出する発想がこれまで以上に重要になることが示されました。
「人口が減るから仕方ない」ではなく、「どうすれば旅行に行きたくなる人を増やせるか」という発想への転換が、これからの宿泊業・観光業には欠かせないと改めて感じました。
(つづく)
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