消費者にとって宿泊施設都合の「ダイナミックプライシング」よりも「少し高いが料金固定」の方が刺さると感じる
「価格」「価値」の伝え方は もうほとんど世に出尽くしているかと思いましたが、まだまだ新しい発見ってあるモノですね。
2022年に注目しております。
創業は2015年で、現在北米を中心に人気急上昇中!
ユーザー数が約7,000万人程いるカナダ発の旅行アプリ「Hopper(https://www.hopper.com/)」(ホッパー)ってご存知でしょうか?
特に注目したいのは、2019年から提供開始した「プライス・フリーズ(価格を凍結)」ですね。
【「プライス・フリーズ」とは?】
その時点で販売されている航空運賃などの「価格」を、そのまま“凍結”し、決済を後回し出来ます。
このキャッチーなネーミング、秀逸だなぁ〜。
コチラ、カンタンに言うと航空券や宿泊施設が”自社都合”で行なっている「ダイナミックプライシング」を”顧客都合”で固定化すると言うモノになります。
もしも凍結している間に価格が上昇したら、その差額は「Hopper」が負担。
値下がりすれば、そのまま安くなった価格が適用されます。
凍結する際に、利用者は数十ドルのデポジットを支払うことで 航空券の購入を最大14日間先延ばし出来ます。その後チケットを購入すれば、この分は合計価格から差し引かれると言う仕組みになります。
これにより利用者は、価格が値上がりする前に先行して予約の仮抑えが出来ます。
最近盛り上がりつつある この「後払い決済」ですが、なんとなく「旅行」とも相性良さそうですね。
では詳細をチェックしましょう。
値付けの手法が消費者寄りの分かりやすいモノになるか?
この4,5年、宿泊業界では「レベニューマネジメント」や「ダイナミックプライシング」と言う言葉を頻繁に聞く機会が多かったと思うのです。
そもそも「レベニューマネジメント」や「ダイナミックプライシング」の考え方は、繁忙期に”宿泊施設都合”で利益を上げようと料金設定する行為がほとんどなので、それが宿泊予約者に寄り添っているかと問われると「No」では無いでしょうか?
(もちろん、閑散期にはしっかり値下げや受入人数を調整して集客する場合もありますが)
宿泊施設にとっては合理的な収益を生み出す一方で 価格を変動させる操作は複雑性を生み出しており、それは一方消費者にとっても値引き観察疲れを起こすという面があります。
それに近年、宿泊施設では手数料のかからない自社HP(公式サイト)経由で予約を取りたいので「ベストレート保証」などを謳(うた)っているトコロもありますが、実際には各OTA独自のSALE企画・宿クーポンによる割引やポイント施策が乱立しており、そのお得感に中々ついていけてないのが現状です。
なので自社予約で「ベストレート保証」を保つ事は、OTAとの価格差をかなりつけていないと 相当難しくなっているのでは無いでしょうか?
今回の「プライス・フリーズ」は「価格が固定でき、消費者に安心感を与える」と言う事もそうですが「複雑に考える行為を放棄できる」と言う部分に価値があるような気がします。
さいごに
ディズニーやUSJ等で「ダイナミックプライシング」の考え方が徐々に取り入れられている中で、今後流行りそうな「Hopper」の「プライス・フリーズ」をご紹介してみました。
今回の件、宿泊施設においては 逆にOTAでは「ダイナミックプライシング」でガンガン価格を変動させておいて、自社HP予約は「プライス・フリーズ」を活用してみるって言うのも面白そうです。
もちろん、航空券や宿泊施設以外にも活用できそうな「プライス・フリーズ」の概念、2022年ではこれから目にする機会も増えるかも知れませんね。
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