この記事の要点
- 対象
- 温泉の魅力を発信したい旅館・ホテルの方
- 要点
- 「湯シュラン」の取り組みから、泉質や入浴体験を伝える視点を考えます。
- まずやること
- 自館のお湯の特徴と入浴体験を整理し、客室や料理の案内と合わせて発信します。
「お湯の価値」が宿選びの新しい基準になるか?
温泉旅館を選ぶとき、これまでは「料理」「客室」「接客」「露天風呂の雰囲気」などが評価されることが多かったと思います。
そんな中、ちょっと面白い取り組みが始まりましたよ。
その名も「湯シュラン」と言います!
【「湯シュラン」とは?】
温泉の「お湯そのものの価値やクオリティ」に焦点を当てて評価・可視化する、日本初の温泉格付けガイドです。一般社団法人Yuchelin(湯シュラン)が創設しました。
公式サイトは2026年9月18日に公開されていますね。
サウナシュラン…とはまた違うようです。
この制度が面白いのは、建物の豪華さや料理、接客などを評価するのではなく、浴槽に届けられている湯の状態や、その温泉本来の価値に焦点を当てているところです。
料理や客室だけではなく「湯」が選ばれる理由になる
評価では、湯の個性や鮮度・提供方法、希少性、安全性・衛生管理、環境・文化的価値などが重視されます。
つまり、「源泉かけ流しだから高評価」という単純な話ではなく、その温泉をどのように管理し、どんな状態でお客様に届けているかまで見られるということです。
これは温泉旅館にとって、非常に興味深い動きだと思います。
WEB販売の現場では、どうしても…
「料理をどう魅力的に見せるか」
「客室写真をどう良くするか」
「露天風呂付き客室をどう売るか」
「口コミ評価をどう上げるか」
といった施策に目が向きがちです。
もちろん、どれも大切です。
ただ、本来温泉旅館には、“温泉そのもの”という非常に強い商品があります。
泉質、源泉温度、湯の提供方法、加水・加温・循環の有無、湯の肌触り、その土地で温泉がどのように守られてきたのか?
こうした情報は宿側にとっては当たり前すぎて、意外と公式サイトやOTAでは十分に伝えきれていないケースも多いと思います。
たとえば「美肌の湯です」と書くだけではなく、
「入った瞬間にどんな感触なのか」
「湯上がりはどう感じるのか」
「なぜこの土地でこの泉質が湧くのか」
「どのような方法で浴槽まで届けているのか」
まで丁寧に言葉にしていく。
それだけでも、温泉そのものが立派な販売コンテンツになります。

今後、湯シュランのような評価制度が広がれば、旅行者の宿選びも少しずつ変わっていくかもしれませんね。
これまでの、「料理が良さそうだから泊まりたい」だけではなく、「この温泉に入りたいから、この宿を選ぶ」という選び方です。
なお2026年10月26日には、「湯シュランアワード2026」も開催予定。
どんな施設が評価されるのかも気になるところですが、宿泊施設側にとって大切なのは、受賞を目指すことだけではないと思います。
さいごに
今回の動きをきっかけに、自館の温泉の価値をもう一度見直し、それをどう伝えるかを考えること。
これまで客室や料理の魅力発信に力を入れてきた宿ほど、温泉情報も改めて整理してみると、新しい予約理由が見えてくるかもしれません。
今後、客室・料理・口コミ点数に加えて、「お湯の価値」そのものが宿選びの新しい基準になっていくのか?
温泉旅館にとっては今後、ぜひ注目しておきたい動きだと思います。
※なお、湯シュランは、温泉施設が料金を支払って認定を受ける仕組みではないようです。 評価の独立性を保つため、認定対象施設からの協賛は受け付けていません。一方、活動を支援する企業・団体向けの賛助会員や協賛制度に関しては有料のようです。
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