ホテルの業界用語

【知ってて得するホテルの業界用語】レベニューマネジメントとダイナミックプライシングの違いとは?

ホテルの収益を最大化する2つの考え方

ホテル・旅館の宿泊業界でいう 「レベニューマネジメント」と「ダイナミックプライシング」 は、どちらも売上アップに関係する言葉ですが、似ているようで実は意味する範囲が異なるってご存知でしょうか?

結論から言うと、レベニューマネジメントという「大きな戦略枠組み(概念)」の中に、手法の一つとして「ダイナミックプライシング(価格変動)」が含まれる関係性にあります。



では今回は「レベニューマネジメント」と「ダイナミックプライシング」についてリサーチしてみましょう。

詳細

1. レベニューマネジメント(Revenue Management)について

まずはコチラから。

【「レベニューマネジメント」とは?】
宿泊施設の客室という「限られた在庫」を、適切な顧客に、適切な価格で、適切なタイミングに販売し、収益を最大化するための総合的な管理手法です。


スーパー等の加工食品やドラッグストアのお薬と違い、宿泊施設は客室数を翌日に持ち越す事が出来ないため、レベニューマネージメントで収益最大化を目指す必要があります。

U.S. Hotel Performance is Improving, but Margins Remain Under Pressure
 


主な業務

  • 需要予測:いつ、どのくらい予約が入るかを予測する

  • 料金戦略:曜日、繁忙期、イベントなどに応じて料金を設計する

  • 在庫管理:販売室数や販売停止、部屋タイプの在庫を調整する

  • 販売チャネル管理:OTA・公式サイト・旅行会社などの販売比率を考える

  • 顧客・市場分析:国内外の需要や予約動向を分析する

  • キャンセルや予約ペースの分析:今後の需要を見ながら販売戦略を修正する

つまり、単に客室料金を上げ下げするだけでなく、「どうすれば限られた客室から、より大きな利益を生み出せるか」を考える仕事になります。

2. ダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)について

レベニューマネージメントと同じ意味で、宿の現場で間違って使われてしまっているかも?

【「ダイナミックプライシング」とは?】
需要や市場環境、予約状況などに応じて、商品やサービスの販売価格を柔軟に変動させる価格設定手法です。


こちらは需給データをベースに、「いま、いくらで設定するのがベストか」という”価格調整に特化した手法”になります。

Yield Management : les clés d’une stratégie de pricing efficace dans l’hospitalité
 


ホテルでの具体例

同じ客室でも、宿泊日や需要に応じて料金を変動させるのが「ダイナミックプライシング」と言えます。

例えば、スタンダードツイン(2名1室)の料金を次のように設定します。

  • 平日の閑散日:10,000円
  • 金曜日:14,000円
  • 土曜日・繁忙日:20,000円

※料金は仕組みを説明するための仮定例です。

このように、需要が高い日は料金を上げ、低い日は料金を下げることで、客室の販売機会を増やし、収益の最大化を目指します。

3. 2つの違いを比較

比較項目

レベニューマネジメント

ダイナミックプライシング

意味

収益を最大化する総合戦略

需要などに応じて価格を変える手法

対象

価格・在庫・販売チャネル・需要予測など

主に販売価格

目的

売上・利益・客室収益の最大化

価格を最適化し、収益機会を高める

活用範囲

宿泊施設全体の販売戦略

客室料金や各種サービスの価格設定

関係性

大きな概念

レベニューマネジメントの一つの手段

 

4. ホテル・旅館の現場での違い

例えば、土曜日の予約が好調で、残室が少なくなっているとします。
考え方の違いはこうです。

※ダイナミックプライシング

「土曜日は需要が高いので、販売価格を20,000円に上げよう」


※レベニューマネジメント

「土曜日は需要が高い。価格を上げるだけでなく、どの部屋タイプをどの価格帯で販売するか、どのOTAに在庫を残すか、連泊需要をどう取り込むか、キャンセルリスクはどうかまで考えよう」


レベニューマネジメントの方が、思考がより深い感じになります。

さいごに

ではおさらいです。

  • ダイナミックプライシング:宿泊日・予約状況・需要に応じて、料金を変動させる。

  • レベニューマネジメント:料金変動に加えて、販売室数、プラン構成、OTAごとの在庫配分、公式サイトへの誘導、キャンセル対策などを総合的に判断する。


なお、実務では「レベニューマネジメント」を料金調整の意味で使うケースもあります。そのため、両者が完全に別々の業務というわけではなく、ダイナミックプライシングはレベニューマネジメントを実践する代表的な手法と考えるのが適切です。

ホテル・旅館の収益を高めるためには、単に宿泊料金を上げ下げするだけでなく、需要や予約状況を的確に把握し、販売方法や在庫を柔軟に調整することが大切です。

レベニューマネジメントとダイナミックプライシングの違いを理解し、施設の状況に合わせた戦略的な販売につなげていきましょう!



【ホテルの業界用語 関連の記事一覧はコチラ】
https://kawashimablog.com/wp01/?cat=1458

【追伸】
「ブログ村」に参加しておりますので、良かったら「ポチッ」とお願いします!
https://blog.with2.net/link/?1766752

【ネット予約の販売・管理でお困りの方へ】
ネット予約の売り上げを伸ばしたい。
日々の宿泊トレンドを知りたい。
人手不足で、OTAのプラン延長やサイトコントローラーをうまく活用出来ていない等。

コチラからお仕事のご依頼も承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ⇒CONTACT
※もちろんSNSのDM等でも結構です。

The following two tabs change content below.
アバター画像
1975年生まれ、福井県高浜町出身・大分県国東市在住。旅館のフロント業務とWEB販売の経験を活かし、旅館・ホテルのOTA運用、料金・在庫設定、宿泊プランの見直しを支援しています。大切にしているのは、現場で無理なく続けられること。お宿の状況に合わせて、一緒に改善を考えます。

【知ってて得するホテルの業界用語】ジュニア スイートとは?スイートルームとの違いを分かりやすく解説!前のページ

TL-リンカーン丨2026年9月、新たに「三越伊勢丹ニッコウトラベル宿泊予約サービス」(共通在庫)と連携開始しました次のページ

お宿のWEB販売、今お困りのことから。

OTA・サイトコントローラーの管理、宿泊プラン作成、期間延長をご相談いただけます。

川嶋にWEB販売を相談する

相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。

次に読みたい、現場の実務記事

今のお困りごとに近いテーマからお選びください。

操作や機能は記事公開時点の情報です。ご利用中のシステムの仕様もご確認ください。

おすすめ実務記事をすべて見る →
株式会社旅月の支援内容

株式会社旅月 公式サイト

ご相談いただける支援内容や実績をご紹介しています。

旅月のAIアシスタント 藤井玲奈

藤井玲奈 株式会社旅月のAIアシスタント

旅月のAIアシスタント。情報整理や文章作成で川嶋を補佐しています。

LINEでのご連絡

フォームでの相談が難しい方は、LINEでもご連絡いただけます。

旅月のLINE公式アカウントへ

テーマから記事を探す
PAGE TOP