国によって訪日目的や費用に関する意識にかなり差がある
前回の続きです!
トリップアドバイザーが訪日外国人の動向を調査した「インバウンドレポート2019」を無償公開 Part.4
https://kawashimablog.com/yufuin/?p=31029
もうちょっと、世界最大級のクチコミサイト・トリップアドバイザー(https://www.tripadvisor.jp/)初のインバウンドレポートの事を書きますね。
【トリップアドバイザーとは?】
全世界の旅行者に利用されている旅行プラットフォームであり、訪日旅行を検討している人たちにも多く使われているサービスです。
トリップアドバイザーのサイトやアプリには毎月4億9,000万人の訪問者がおり、世界49の国と地域、28言語でサービスが展開されています。
今日のテーマはコチラです!
世界の旅行者が見ている日本の姿とは?
日本に対するイメージと日本を旅行の目的地に選ぶ際の金銭感覚
トリップアドバイザーのアンケート調査で日本のイメージについて聴取したところ、アジアでも欧米豪でも「他にはないユニークな体験ができる」が最も強いイメージとして持たれていることが分かります。
次いで「安全に旅行できる」「発達した交通網がある」が続いていることから、日本は独特の魅力 を持っており、かつ観光しやすい国という認識ですね。
一方で「子連れに優しい」というイメージでは、国と地域ごとに最も大きな差が見られます。
インド・マレーシア・オーストラリアに おいては、3割以上の人がファミリーで来られる旅先と考えられている一方、欧米ではそう考える旅行者は 2割未満と、日本は子供を連れてくる目的地ではないという認識があるようです。
他にも、中国とオーストラリアにおいては「物価を心配しなくてもいい」が比較的強いイメージとして持たれており、経済的な負担がさほど大きくならないという点が気になります。
また、旅行時の金銭感覚を知るために、旅行予算を検討する上で日本という目的地はどのように認識されているのかを訪ねたところ、 欧米では半数程度が「お金をかけていく旅行先」と考えられている一方、中国およびオーストラリアでは 2 割もしくはそれ未満と「比較的安く行ける旅行先」と考えられていることがわかりました。
それって良いのか悪いのか、中国とオーストラリアから見ると”日本が安くなった”と言う事を意味しそうです。
訪日旅行を決める際に影響されるモノやコト
日本への旅行者は、どのような点を考えながら 訪日旅行の計画を立てているのでしょうか?
日本に旅行することを考える際に影響される点について聴取したところ、アジアでは「季節のイベント」が 63%と最も大きくなりました。
桜や花見、紅葉の季節は特に人気ですもんね。
「自然探訪」も 6割を超えており、日本国内旅行者と同じように 四季の魅力を楽しむような旅行に需要があると考えられます。
対象的に、欧米豪でもっとも大きいものは「伝統文化」、次いで「食文化」となっており、訪日旅行時に求めているものが国や地域によって大きく異なることを示唆しています。
また、ショッピングへの関心も、アジアでは 23%であるのに対し、欧米豪では 13%と大きく落ち込むことから、日本でモノを買うことよりも伝統文化を体験したり、食事を楽しむことのほうが重視されていることがうかがえます。
なかでも特徴的なのは中国です。
「アニメや Jポップなどポップカルチャー」は他の国と地域では 10-20%程度の水準となっていますが、 中国においては 54%と突出して高く、これは伝統文化の 43%を上回ります。
伝統的な日本の文化よりも、現代の大衆文化が 訪日旅行を考える上でより大きな魅力となっているようです。
日本に対する不安
逆に日本に対する不安を聞いてみたところ、アジアでは「自然災害」が最も大きな要素となりました。
また、オーストラリアを除く欧米では「高額な飛行機チケット」「物価や滞在費用」が 4割を超える高い水準となっており、経済的な点が不安に思われていることがわかりました。
国と地域別に見て特徴的なものとしては、中国では最も大きな不安要素である「外交関係や政治情勢」、インドで際立っている「食事制限に対応していない」といった点が挙げられます。
これらの問題を解決していくことが、現在よりも更に多様な国と地域から訪日客を増やしていくための課題と考えられます。
トリップアドバイザー利用者の声から考える、観光地としての日本が抱える今後の課題とは
トリップアドバイザーを利用する世界の旅行者に対して訪日旅行について聞いたところ、その旅行タイプ、旅行に求めるニーズ、旅行先としての日本のイメージ、および経済感覚などは、国や地域によって大きく異なることがわかりました。
このことから、「訪日客」といっても、その人たちの住む国や地域によって日本での旅行に対する期待は大きく異なることから、どのような旅行客をターゲットとし、その人達のどのようなニーズを満たすことが良いのかを考えると良いでしょう。
アジアでは都市での観光だけでなく、自然探訪・花見や紅葉などの四季、あるいは日本のお祭りにも関心があり、興味の対象が広いことがうかがえます。
さらに国と地域を細かく見ると、中国の旅行者はアニメなどの大衆文化に親しみがある点、マレーシアやインドの 旅行者は家族で行っても安心である点も、訪日旅行の魅力として挙げられています。
一方で欧米豪の旅行者は、日本の歴史や伝統文化に魅力を感じており、アジアに比べるとその目的地や興味は集約されている傾向があります。
ショッピングに対する関心は低く、日本でモノを買うことよりも、伝統文化の体験や、日本の食文化を楽しむといった、いわゆる「コト消費」にニーズがあるといえるでしょう。
観光庁が発表の「訪日外国人旅行消費額(2018 年 1-12 月)」を見ても、2017 年から 2018 年にかけて宿泊費や飲食費が増えているにもかかわらず、買い物代は減少していることがわかります。
確かに。
昔ほど「爆買い」のニュースってほとんど見なくなりました。
今後、この訪日外国人旅行消費額を上げていくためには、日本での買い物だけではなく、各国と地域のニーズをきちんと理解した上で、どのようなサービスや体験を提供すればよいのかを考える必要があるのではないでしょうか?
さいごに
日本の情報にアクセスする旅行者は、実際の訪問者に対して欧米豪が比較的多いことがわかっています。
その消費行動や訪日目的も、アジアと比べても全然違いますね。
そのため、トリップアドバイザー上で”観光や文化体験などの情報発信をしていくこと”で、彼らの持つ「コト消費」に対するニーズを満たすきっかけを与えることは、今後の訪日外国人旅行消費額を上げていく上でも効果的だと考えられます。
ではあと数回、インバウンドレポートに関して書こうと思います!
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